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DXへの取り組み

これからの時代を見据えたTEL DX Visionの策定

グローバルな産業界全体に波及するDX の推進は、半導体製造装置業界においても顕著になってきています。当社はDXを、さらなる微細化、積層化の要求に対する解の1つとして重要であると位置づけ、2021年1月に「全従業員がデジタル技術を“てこ”にして付加価値向上や効率化などの企業価値創造活動を持続的に推進するグローバルカンパニー」というTEL DX Visionを策定しました。その主な目的は、開発から量産までのさまざまな場面においてお客さまの価値創造に貢献すること、製品の企画段階から保守までのさまざまな場面において資本効率を向上させることの2つです。

モニタリング、分析と予測、コントロール、自律のプロセスを繰り返しながら高次元の課題を解決することで、この2つの目的を達成していきます。またDXの推進により、製品競争力の強化のみならず、製品の企画段階から保守までのさまざまな業務プロセスにおける資本効率の向上を目指しています。具体的な取り組みとして、お客さまの製造拠点と当社をリモートで結び、遠隔保守を実現する「TELeMetrics™」、ARスマートグラスを利用した装置遠隔サポートや、AIを活用した材料探索などの実用化が挙げられます。

TEL DX Vision

AIを活用し、現場レベルのDXも推進
これからもさらなる生産性と効率化を追求

半導体の微細化にも限界が近づいているため、TELではAI・機械学習を活用し、大量のデータからこれま気付かなかった有用な知識を得ることにより、より緻密な制御を実現しようとしています。また、AI活用に限らず、DXも積極的に推進しています。今でも半導体製造装置を製造する多くの現場では、エンジニアの手作業で解析がおこなわれています。単純作業を自動化できれば、作業工数の改善につながるため、現場レベルでもDXは求められています。AI開発やDXを推進することで、生産性や歩留まり(投入した素材量に対して、実際に生産された出来高の割合)の向上に貢献することができます。そのため、最先端のアルゴリズムを半導体製造装置向けに応用展開するとともに、現場エンジニアのデータ解析をサポートするアプリケーションの開発なども進めています。

歩留まり低下の原因である、微細で複雑なパーティクル・形状は、人の目に頼って分類していましたが、ディープラーニングによって識別することにより原因の特定・早期解決につなげています。また、リスクマネジメントの領域でもDXを推進しています。特定のリスクに対し、リスク低減策の策定・実行、管理状況のモニタリング、各部門へのリスク管理活動の支援・推進などをおこない、リスクマネジメントのPDCAを実施しています。迅速なリスク検知と意思決定を、データおよびデジタル技術活用の観点からもおこなうことを目的に、本社の統括組織と連携しながらグループ全体でリアルタイムにリスクの項目や低減策、実施の状況をモニタリングすることにより、適時適切なリスク管理を可能とするシステムの構築を進めています。

DX推進・AI活用の要となる
TEL デジタル デザイン スクエア の設立

もともと当社は、半導体製造装置のプロダクトごとに開発拠点が分かれているのですが、そうした装置を制御するソフトウエア開発の部隊は、札幌事業所に集中していました。さらに、AIやIoTなどを使って製品に付加価値をもたらす開発グループも札幌事業所にあり、この両者のコラボレーションをさらに緊密にするとともに、国内外の各拠点にある技術を融合させる役割を担うために再構築したのが、TELデジタル デザイン スクエア(以下D2スクエア)です。D2スクエアにおいては、イノベーションやコラボレーションを企図してオフィスデザインにも反映させています。D2スクエアはDX推進体制の強化のための人材開発拠点としての活動も担うことになります。DXを推進するメンバーは、現場ですぐに解決しなければならない課題に取り組むと同時に、将来必要になるテーマにも挑戦しなければなりません。その知見を得るために、国内外の大学研究室、AI技術の最先端スタートアップ企業などとのコラボレーションが必要です。

世界で一番進んでいる技術を体験しながら、技術開発を進める。これを継続的におこなうことで、そうしたバックグラウンドをもった人材を増やしていこうと考えています。東京エレクトロングループのベンチャーキャピタル部門が、絶えず世界のテクノロジーを調査して、提携先を探しています。その中にはAIで先端を行く世界各国のスタートアップ企業も含まれます。また、データサイエンスの領域は広いですが社内には電機、自動車、石油などあらゆる分野から、さまざまなバックグラウンドをもった人が集まってきていて、これは社内のダイバーシティ(人材多様性)を保つという面でもプラスになっています。TEL DX Visionの実現に向けてこれからも取り組みは加速していきます。

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